2011年 02月 21日
映画「フードインク」観ましたか? |

食のドキュメンタリー「フードインク」を観て
ガストロノミスト 千葉正義
某週刊誌で「外食の地雷原」と称する記事が掲載された。
“整形された霜降り肉” “回転すし屋の添加物と
代用魚” “フライドポテトから
発がん物質”などという見出しが目を引く。
日本人は、日々食べている食品は安全だし安心だと思っている。
それは、輸入食品は当然検疫されているし、
変な物は入ってこないという安心感からきているのだろう。
でも、この映画を観たら、変わるかもしれない。
「これはアメリカの事だから」と
対岸の火事のようには見ていられないはずである。
日本でも食糧の生産をいかに上げていくかが、課題となっているが、
肝心の第一次産業の担い手不足が問題となっているのが現実。
人手が足らなければ企業にやってもらおう、
ということで、米も野菜も畜産も漁業も、企業参画になりつつある。
それ自体悪い事ではないが、企業が食の世界(生産)に参加すると、
当然のことながら利益を追究することになるし、
いかにリスクを抑えて利益を多く生むかに目が向いてしまう。
それが企業だし、それができなければ企業ではない。
この映画は、肥大化した食の企業にスポットを当て、
普段何気なく食べている物が、どのような過程を経て出来ているのか、
いかにして食が作られているのかを教えてくれる。
たとえば、鶏は普通に外で飼うと、
80日で食用として出荷出来るまでになるが、
企業がやると48日程度で食肉として出荷できてしまうのだ。
巨大な鶏舎で動けなくなるほど詰め込まれた鶏達は、
ただひたすら餌を与えられ続けられる。
コーンと合成飼料のおかげで、人間が好む胸肉は、
本来なら80日で出荷されるべき鶏の2倍の厚さにまでになる。
体重が増える訳だから当然2本の足で自分の体重を支えられなくなってしまい、
最後には座りこんでしまう。
運動をしないで食べ続けると、脂肪が多くなる。
その肉が食用として大量に出荷され、
人間に食べられる光景は恐ろしさすら感じる。
大量生産され、次々に商品として送り出される食肉や加工品。
健康は二の次で、食欲さえを満たせればすむ話ではない。
アメリカの食品廃棄は年間4000万トンとも言われる。
企業は大量に食品を消費者が買ってくれさえすれば、
あとは廃棄されてもかまわないのだ。
次にまた安い肉を売れば良いのだから・・・。
日本でも100円バーガー、250円牛丼。
安さだけが目につく商品が多くなってきた。
100%ビーフと言うけれど、
どこの部位を使っているかすら、
牛丼屋さんも、ハンバーガー屋さんも表示していない。
ましてや、どこでどんなふうに育てられた肉なのか、
それについては一切明かされていない。
もう一度、身の回りの食べ物に関心を持つことから始めないと・・・・。
病気になってからでは遅いですよ。
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| 2011-02-21 11:25
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