2009年 05月 12日
キングコーン |
映画「キング・コーン」 渋谷シアター・イメージフォーラムにて上映中!
ガストロノミスト 千葉正義
二人の若者が一年かけて1エイカー(約4千平方メートル)の畑でトウモロコシを栽培し、
それがどのように流通して行くかを追ったドキュメンタリーである。
映画の冒頭に
「このままだと自分は親の歳まで生きられない。
それは、自分たちが食べてきた食べ物のせいだ」
というナレーションが入る。
気が付けば、我々の身の回りにある食べ物の中には、
コーンが大量に使われている食べ物が多くある。
一番多いのがコーン・シロップだと若者は言う。
サトウキビから砂糖を抽出していたコストに比べ、
トウモロコシからコーン・シロップを作る方がはるかに安価で済むことがわかった途端、
多くの企業は甘味料にコーン・シロップを使うようになった。
その結果、スーパーに並ぶ菓子類やファースト・フードに大量のコーン・シロップが使われ、
必然的に我々の体内に摂取されることになる。
安くて沢山食べられることから、
低所得者層だけでなく一般の人々に支持されることになるが、
そのツケとして肥満や糖尿病という病気の発症率が引き上げることとなった。
コーン・シロップは日本で開発された。
でも、日本ではコーン・シロップという表示はしていなく○○甘味料という表示である。
使用している原材料が○%以下ならば表示しなくても良い、
という食品表示法で守られている日本のメーカーは、トランス脂肪酸の時と同じで、
「外国に比べて日本では摂取量が少ないので、人体に及ぼす影響は少ない」
という答え方をするのだろうか。
トウモロコシはシロップだけでなく、家畜(特に牛)の飼料として使われている。
かつては牧草で牛は育っていた。
牛のからだの構造は、本来は草を食べるように出来ているのに、
今は、穀物を飼料として育てられている。
広々とした牧場で草をはみ、ゆっくりとした環境で育てられていた牛が、
極端に運動量を少なくされ、
ひたすら穀物飼料を与えられて140日〜150日で食肉として出荷される。
運動量が少なく、脂肪分の多い肉が流通するということは、
必要以上に油分の多い牛肉を毎日食べていることになる。
結果はシロップの大量摂取の時と同じである。
昔のアメリカン・ビーフは赤身で脂肪が少なく硬かったと記憶している。
見渡す限りのトウモロコシ畑や、
何万頭という牛が囲いの中で出荷を待っている光景は、やはり異常だ。
牛のげっぷがオゾン層を破壊し、大量の排泄物が大地を汚染する。
汚染された土を削って川は海に土砂を運び、
そこにいるはずのプランクトンが死滅している。
そして汚染された海で育った魚が我々の口に入る。
1年前に起きた世界的な食糧危機を思い起こしてもらいたい。
多くの人がその日の食糧を求めて店の前に群がり、暴動の起きた国もあった。
その背景にあった穀物相場の高騰は、
バイオエタノールという新たな燃料にトウモロコシが使われたことも起因している。
流通している穀物の相場はアメリカによって牛耳られ、
高値でも買える国にはいくらでも売り、
買えない国には売らないという構図ができあがっている。
同じように、穀物の種もアメリカの会社が世界市場を独占しているので、
自国でいくら栽培しようとしてもアメリカから種を買わなければならないのが現状だ。
日本はトウモロコシの9割をアメリカから輸入していることは知っておいてもらいたい。
ガストロノミスト 千葉正義
二人の若者が一年かけて1エイカー(約4千平方メートル)の畑でトウモロコシを栽培し、
それがどのように流通して行くかを追ったドキュメンタリーである。
映画の冒頭に
「このままだと自分は親の歳まで生きられない。
それは、自分たちが食べてきた食べ物のせいだ」
というナレーションが入る。
気が付けば、我々の身の回りにある食べ物の中には、
コーンが大量に使われている食べ物が多くある。
一番多いのがコーン・シロップだと若者は言う。
サトウキビから砂糖を抽出していたコストに比べ、
トウモロコシからコーン・シロップを作る方がはるかに安価で済むことがわかった途端、
多くの企業は甘味料にコーン・シロップを使うようになった。
その結果、スーパーに並ぶ菓子類やファースト・フードに大量のコーン・シロップが使われ、
必然的に我々の体内に摂取されることになる。
安くて沢山食べられることから、
低所得者層だけでなく一般の人々に支持されることになるが、
そのツケとして肥満や糖尿病という病気の発症率が引き上げることとなった。
コーン・シロップは日本で開発された。
でも、日本ではコーン・シロップという表示はしていなく○○甘味料という表示である。
使用している原材料が○%以下ならば表示しなくても良い、
という食品表示法で守られている日本のメーカーは、トランス脂肪酸の時と同じで、
「外国に比べて日本では摂取量が少ないので、人体に及ぼす影響は少ない」
という答え方をするのだろうか。
トウモロコシはシロップだけでなく、家畜(特に牛)の飼料として使われている。
かつては牧草で牛は育っていた。
牛のからだの構造は、本来は草を食べるように出来ているのに、
今は、穀物を飼料として育てられている。
広々とした牧場で草をはみ、ゆっくりとした環境で育てられていた牛が、
極端に運動量を少なくされ、
ひたすら穀物飼料を与えられて140日〜150日で食肉として出荷される。
運動量が少なく、脂肪分の多い肉が流通するということは、
必要以上に油分の多い牛肉を毎日食べていることになる。
結果はシロップの大量摂取の時と同じである。
昔のアメリカン・ビーフは赤身で脂肪が少なく硬かったと記憶している。
見渡す限りのトウモロコシ畑や、
何万頭という牛が囲いの中で出荷を待っている光景は、やはり異常だ。
牛のげっぷがオゾン層を破壊し、大量の排泄物が大地を汚染する。
汚染された土を削って川は海に土砂を運び、
そこにいるはずのプランクトンが死滅している。
そして汚染された海で育った魚が我々の口に入る。
1年前に起きた世界的な食糧危機を思い起こしてもらいたい。
多くの人がその日の食糧を求めて店の前に群がり、暴動の起きた国もあった。
その背景にあった穀物相場の高騰は、
バイオエタノールという新たな燃料にトウモロコシが使われたことも起因している。
流通している穀物の相場はアメリカによって牛耳られ、
高値でも買える国にはいくらでも売り、
買えない国には売らないという構図ができあがっている。
同じように、穀物の種もアメリカの会社が世界市場を独占しているので、
自国でいくら栽培しようとしてもアメリカから種を買わなければならないのが現状だ。
日本はトウモロコシの9割をアメリカから輸入していることは知っておいてもらいたい。
by patis-book
| 2009-05-12 21:50
| 映画